2015年1月18日日曜日

2030年世界はこう変わる

 国際社会の大きな流れと、変数を踏まえてありうる未来のシナリオについて述べた本。
 まず、未来の大まかなあり方に大きな影響を与えるメガトレンドとして、①個人の力の拡大②多極化の進展③少子高齢化の進展④地球温暖化の進展を掲げる。そして、なかでもインターネットを活用して世界を視野にビジネスを行う個人、国家以上の情報をもつ企業、情報戦で国家と同等の力をもちうるハッキング集団など、国家以外の特に個人の力が格段に高まるということをもっとも重要なメガトレンドとしている。
 これらのトレンドを踏まえ、国際社会としてのありうるシナリオとしては、①欧米没落型②米中協調型③格差支配型④非政府主導型が提案されている。この中で最も理想的なのが、②米中協調型で、本の中ではインドとパキスタンの紛争激化に対し、米中が協力して解決を働きかけたことがきっかけとなり、環境や国際ルールの形成の点でも米中の協力が進み、世界の平和と経済の発展が実現されるというものである。ただ、日本と中国の格差ということを考えると、日本にとって最もその格差が小さくなるのは③の格差支配型であるとされている。
 アジア地域の国際関係においては、インドがどの程度発展するのか、また中国がどの程度持続的に発展するかが大きな観点からは重要になるとのこと。
 日本としては財政再建や地方分権などによって国としての活力を復活させていけるかどうかが、2030年の世界でのプレゼンスを左右することになるのではないかと思った。また、シェールガスの進展によって再生可能エネルギーは世界でもそこまで使用されていないだろうとの予想もあったが、アジアスーパーグリットなどの構想もあり、その点も変化しうる点だと思った。
 個人としてはよく言われることだが①英語を使えるようになる②プログラミングを書けるようになるということが、ざっくりと重要なことなのではないかなと思わされた。
 本書の面白い点は付録的に2030年のメールの文章や論文の文章が書いてあり、そこから各シナリオの具体像をイメージできるところ。全体的にざっくりとした話も多く、また、付録のようにノリの良い文章もあったりして、楽しく読める本だと思った。四年ごとに改訂されるとのことなので毎回チェックしていきたいと思うと共に、日本や他の国でこのようなレポートを出しているのならそれもよんでいきたいと思った。
http://www.amazon.co.jp/2030%E5%B9%B4-%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%AF%E3%81%93%E3%81%86%E5%A4%89%E3%82%8F%E3%82%8B-%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E6%83%85%E5%A0%B1%E6%A9%9F%E9%96%A2%E3%81%8C%E5%88%86%E6%9E%90%E3%81%97%E3%81%9F%E3%80%8C17%E5%B9%B4%E5%BE%8C%E3%81%AE%E6%9C%AA%E6%9D%A5%E3%80%8D-%E7%B1%B3%E5%9B%BD%E5%9B%BD%E5%AE%B6%E6%83%85%E5%A0%B1%E4%BC%9A%E8%AD%B0/dp/4062183765

百年予測

 将来的にロシア、中国、日本とトルコ、メキシコがアメリカに挑戦してその全てに勝つためのアメリカの戦略について述べた本。
 クリミア情勢やその後のルーブルの下落など、一部予測があたっているかもということで話題になったもの。
 友達にこの本の話題をふったところ、日本とトルコが連携する理由は何?と聞かれたので読み返してみることに。
 ざっくりまとめると以下の通り。アメリカは地域に覇権国ができて、その覇権国がアメリカに対抗するのを阻止するという戦略をとことを基本とする。ロシアや中国は経済運営がうまくいかずに国力を低下させ、その力の空白をトルコと日本が埋めるようになる。ただし、それがゆきすぎるとアメリカは日本とトルコを警戒するようになり、経済的な締め付けを強めるようになる。それに対抗する形で日本とトルコが協力関係を深め、いづれアメリカと対立するようになる。
 読んでいて勢力均衡の概念を思い出した。筆者がいうように予測があたるかは確かではないが、その考え方や地政学について関心が高まった本。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4150504091/ref=pd_lpo_sbs_dp_ss_1?pf_rd_p=187205609&pf_rd_s=lpo-top-stripe&pf_rd_t=201&pf_rd_i=415209074X&pf_rd_m=AN1VRQENFRJN5&pf_rd_r=1NAV3S10T24ZSHSGYT3R

日本がヤバイではなく、世界がオモシロイから僕らは動く

世界で働くってカッコいいな、ワクワクするなと思わせられる本。
世界で働くために重要なのは英語と専門性で、
そのために①留学と海外旅行②まずは日本で自分の仕事に打ち込むこと
を勧める。

本の中では世界を舞台に活躍する職員の方も紹介されており、
国家公務員、留学、国連職員を経てアフリカで働いている方が紹介されていたことが特に印象に残った。

暇だとかいってないで、
まずはトルコとシリコンバレーに行けと思わせられた。

2015年1月16日金曜日

21世紀の資本

 歴史を通して資本の成長率の方が賃金の成長率より高く、その例外的な時期は戦間期などわずかな時期に限られる。そのため、今後とも世界で大きな戦争がないとすれば相続等によって資産を得た個人が努力せずともお金持ちになる可能性があり、そのような事態が進展すると民主主義や努力した者が果実を得るという資本主義の基本精神が侵されると主張する本。
 自分が読む限りでは中間層が没落するといった主張は見られなかったと思う。むしろ、筆者が問題としているのは、莫大な遺産を相続した個人が努力せずにお金持ちになってしまうこと。才能のある個人が努力の結果大きなリターンを得て、その結果、他の人と格差が生じることについては問題とはしていない。ここから筆者が主張するのは、国際的な資産課税で、それができなくても地域的な資産課税をなすべきだということである。
 この本の良いところは、歴史的かつ統計的な分析を踏まえて問題を掘り下げ、かつその問題に対する解決策の提案があること。さらに、解決策も理想的なプランAとより現実的なプランBの二つづつ提案してあり、政策案の提示の仕方としても参考になることだと思った。また、国家の債務問題や国家の役割などについても言及があり、読み応えのある本だった。
 個人的には、アジア地域における国際環境税の在り方について勉強してみたいと思わせられる本であった。
http://www.amazon.co.jp/21%E4%B8%96%E7%B4%80%E3%81%AE%E8%B3%87%E6%9C%AC-%E3%83%88%E3%83%9E%E3%83%BB%E3%83%94%E3%82%B1%E3%83%86%E3%82%A3/dp/4622078767/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1421404721&sr=8-1&keywords=21%E4%B8%96%E7%B4%80%E3%81%AE%E8%B3%87%E6%9C%AC

大格差

 テクノロジーの進展により、将来的に多くの職がコンピューターに奪われ、コンピューターと協働できる人とそうでない人との間で格差が生じるという内容。コンピューターと協働するために必要なスキルについては、具体的な記述はないが、漠然とプログラミングスキルのことを指すのではないかと思った。
 日本でプログラミングスキルを一からみにつけようとすれば、codeprepのようなサイトを活用するのも一つの方法ではないかと思う。ただ、同サービスはwebサイトをつくるのに必要なhtmlやcssについての講座中心なので、php、ruby、java scriptといったプログラミング言語を勉強するためには、codecademyなど海外のサイトを活用した方がよいと思う。
 海外では子供の時からプログラミングを学ばせようとする動きがあり、日本でも幼少期からプログラミングを小学校などで教える機会を拡充すべきではないかとも思う。ただ、その場合は教えられる人が限られると思うので、動画をみるなり、webサービスを活用してプログラミングをやるようにするのが現実的なのではないか。
 いずれにせよ、自分もプログラミングを勉強すべきではないかと思わせられた本。
http://www.amazon.co.jp/%E5%A4%A7%E6%A0%BC%E5%B7%AE-%E6%A9%9F%E6%A2%B0%E3%81%AE%E7%9F%A5%E8%83%BD%E3%81%AF%E4%BB%95%E4%BA%8B%E3%81%A8%E6%89%80%E5%BE%97%E3%82%92%E3%81%A9%E3%81%86%E5%A4%89%E3%81%88%E3%82%8B%E3%81%8B-%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%82%A8%E3%83%B3/dp/4757123264

2015年1月8日木曜日

国家はなぜ衰退するのか

 収奪的制度、すなわち独裁者や特定のグループのみに富が集中するような制度がある国はイノベーションなどを生み出しながら持続的に発展することがむずかしく、また、自由な市場が整備されていることが国の発展には不可欠であるということを、豊富な国の歴史を引用しながら説明した本。国が発展するためには、包括的制度と、自由な市場経済の両方が必要だとしている。北朝鮮と韓国やアメリカとメキシコなどを比較しながら、国の経済的成長を決めるのは文化や地理や指導者がとる経済政策以上に、その国の制度であると主張する。
 本書の中には日本も含め様々な国の歴史が紹介してあり、歴史の本としても面白い本だと思った。ただ、筆者の一人がトルコ出身ということなので、トルコの歴史についても紹介して欲しいところ。